「良く見せる」と「“ありのまま”良く見せる」は全然違う

突然ですが、皆様に質問です。



これらのお部屋、何畳あるように見えますか?


こちらはどうでしょう?↓↓

正解は、上が8.2畳、下が7.5畳です。



ぜっ、全然違くない!?


平米数をみた時、大変驚きました。

お客さんが「この物件どう思いますか?」と送ってこられた某不動産ポータルサイトのページ内にあった画像なのですが、どちらもどう見ても12畳以上はありそうでしたので。


なぜこんなことが起きるのでしょうか?


それはカメラのレンズサイズが大きく関係しています。僕も写真関係はそこまで詳しくはないのですが、恐らく12-16mmぐらいのサイズで撮影されていると思います。このサイズでは、部屋が実際よりかなり広く見えてしまうのです。実際のところ、肉眼に近いサイズは20mm台と言われています。


つまり、上の2つの物件画像は、より良くみせようとし過ぎています。


カメラに知識があり、写真を見てパッと分かる方、もしくは畳数や平米数を見て広さの感覚が掴める方はその手前で気づくわけですが、そういう人ばかりではありません。お部屋探しの経験が少ない方(殆どの方がそうですよね)は、ビジュアルに騙されてしまいます。「ここ広くて良さそう」と。そして、内覧してガッカリ・・というオチです。


小さいレンズサイズを使用して部屋を良く見せたい、その気持ちは非常に解ります。僕が物件撮影で使用するものは24mm(35mm換算)になるので肉眼に則していますが、物件を楽しく見せようというブッケンライブの構想があったので、選ぶ時は迷いました。


建築写真などの記録用やインテリア雑誌等でお洒落に見せる目的であれば、広く見せるのは有りだと思います。しかし、不動産業の使命は「ありのままを正確に伝える」ということに尽きますので、情報を偽る(例えば駅徒歩11分を10分にして検索に引っかかりやすくしたりなど)のは論外ですが、過剰に良く見せるのもNGであると考えます。


ただし、撮影後の画像修正は行います。普通に撮るとどうしても暗くなってしまう為です。

物件撮影時に照明を設置して・・ということは現実的ではなく、またフラッシュを焚いても不自然な出来になってしまうため、ある程度明るく調整したりコントラストの上げ下げは、僕は大体の場合において行っています。


下記のように曇天を青空に変えたりもします。これは俗に言う、合成写真です。

流石にこれはNGなんじゃない?って思われる方もいるかも知れません。しかし、青空の日は本当にそのように見えるので、ほぼ“ありのまま”であるという判断です。実際に何組もご案内しましたが、「写真と空が全然違うじゃない!」というご意見は一度もありませんでした。(「君の名は」みたいな空だったらやりすぎと言えるでしょう笑)


そして、他社様の媒介で2年近く買い手が見つからなかった物件のご相談をオーナー様から頂き、実際にこの画像で募集させていただいたところ、先日成約に至ることができました。この話はまた、後日にでも。


ということで、物件をお探しする際は、ありのままを見せてるのか、過剰によく見せてるのかを注意した上で吟味してみてください。