起業した理由①「キレイゴトの実証」

起業した理由は、沢山あります。恐らく全てを挙げたら一冊の本ができると思います。では、一番の理由はなんだろう?それを設立以来、考えてきて、最近やっと頭の中で整理できてきました。


➖環境要因の排除


会社員時代、例えば、何かうまくいかないことが起きた時に、ついつい自分の実力以外の部分にフォーカスしてその要因を探してしまう時があります。「要因」といえば格好が良いですが、つまりは言い訳。「このマインドは良くないな」と永らく思ってきました。ならば、その要因を外したらどうなのか?つまり言い訳をできない状況に自分を追い込んだらどうなるか?それをずっと自分で知りたかった、これが一番の理由です。


例を挙げるとすると、「この顧客、この取引先とは、時間をかけてじっくりと関係を築いていきたい」と自分が思ったとします。しかし社の方針や戦略が変わると、「もうそこはいい。次に行け」という指示が途中で降りてくることがあります。


もちろん、企業である以上、短期的に利益を追求しないといけない事もあり、自分も給料を貰っている以上、仕方のないことだと思います。しかし自分自身でこの判断ができないのは、仕事をする上で辛いことでした。「それぞれのお客さんに対しての営業スタイルは、自分で決めさせてくれ。その代り自分で責任を持つ」これを体現したかった。その為には、安定収入なんて要らない、とさえ思っていました。



➖評価・報酬ファーストではなく、顧客ファースト


もう一つ。会社に属する以上、どうしても付いてくるものがあります。それは競争・評価・報酬です。これは仕事をするモチベーションとして大事なことですが、ある一面においては、関係のないことでもあります。ある一面とは、顧客目線です。顧客に提供するサービスそのものに、それらは何も関係ありません。


顧客の目線は基本的に、支払う対価に見合ったものを提供してくれるのか?に尽きます。(無論、自分の担当営業マンが昇進したら喜んでくれる顧客もいるでしょうが、それはサービスそのものとはまた別の話です)


「社内で表彰される」「ボーナスをいくら貰う」「出世する」を目標とするのは素晴らしいこと。ただこれらは仕事の成果としてついてくるものです。会社員である以上は、これらの意識を頭の中から100%排除することは難しい。であれば、そこから抜け出して、限りなく無垢な状態で仕事に取り組む、その手段が、起業でした。


そんなのは綺麗事だという人も居ると思います。昔の自分が読んだら、同様の感想を持つでしょう。でも、これを実証してみたかったというのが本音です。


正直、起業でも100%しがらみを取っ払うことは難しいです。固定費・返済、社員がいれば教育、外部株主がいれば株主の意向に沿わないといけないこともあるでしょう。ただ会社員と異なるのは、裁量がほぼ全て自分にあるので、それらを効率的・最小限に留めることは可能です。



2017年夏に宅建業免許を取得し、「R不動産」という大きな看板から自分の看板で、100%自分の責任という"完全独立"となりましたが、まだまだ規模もスキルもまだまだではあるものの、今のところ対顧客という面では、理想していた方向から逸れずに仕事ができていると自負しています。


これを突き詰めたら、どこに行くのか?

今の自分にとって、最も興味があるのは、そこかも知れません。